ライさん節

来世は雲です!やったね!

けいちつ

 

今年度は忙しく、特にこの冬は朝家を出て夜に帰ることがほとんどだった。

 

冬。寒くて暗くて、閉ざされた日々が、少し苦手だった。キリキリとした雪山の鋭さは好きなのだが、どうしても暗くなる気持ちがあった。

そうしてある日、実はそうであったかのように春が来るものだと思っていた。冬はその日のために耐え忍ぶものであると。

 

冬にも感情はあったことが、今年の冬でわかった事だった。

 

存在してくるだけで責め立てられるような寒さだけではなく、最近は少しだけ、成長を許してくれるような日の緩みを感じることが増えた。

起きた時に、外気の隔絶感が減っている時があった。素直にうれしい。

こうやって植物達の準備を後押ししているのか、と身をもって体感した冬だった。

 

 

春がやってくる。ざわざわする季節。全てを塗り替えてしまう季節。

 

春は全てをおぼろげにする。

自分の気持ちに鈍感な性分なので、思っていたことが、形にならない心のもやが、私の知りえない奥底に全て沈んでゆく。

そうして全部なかったことになる。

でも、何かの弾みで泥のような気持ちが溢れ出る時はある。沈んでいるだけで、確かに奥底には眠っているわけで。

 

全部の泥を掻き出すにはもう遅いし、怪物のようになってしまう気がして怖いから、せめて今覚えていることや感じていることを、あるべき形を与えてやりたいと思っている。

 

すぐにできないから難しいけれど、私のやっていることは、私の見たいものを見せてくれて、確かに私を救っているはずだから。

もっと自分を誇れる自分に、少しずつなれていると思える冬でもあった。いつかこの気持ちが、きれいな花になれますように。

 

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