冬の日
冬って寒い所が好きじゃない。
だって寒い。何よりも寒い。
毎年毎年霜焼けができる。辛みの限りなし。
シーズンは隙あらばほとんどヒーターの前で過ごしたりする。
家にコタツはないので、犬と一緒に寝転がっていたりする。暖かい……
そんなライさん。けど見える景色は大好きで、澄んだ空気だからこそ見えるものがある。
例えば空。
ライさんは空が好きで、特にこの時期は空の高さが、突き抜けて高い。
空の高さによってできる雲は違うし、流れていく方向も速さも異なっているのが面白い。
それを見つけるととんでもなくワクワクする自分がする。なんだか空が生き物のように見えてくるのが嬉しい。
例えば雪山。
ライさんは電車を毎日使っているのだけど、高架を登って往き、そこから街を見渡すことが出来る所がある。
広い景色は好きなので、そこでもまたワクワクするのだが、冬の景色は格別だ。
向こうに見える高い山に雪がかかり、晴れた日には綺麗に、壮大でキリッとしてて、土地神でもいるような、そんな荘厳さを感じずにはいられない。
それが毎日見れるのも、これまた嬉しい。
ラッシュ時なので、いつも眺めているのは私だけ。みんな向くのは下だけ。
それに気づいてまた悲しくなったりする。私は美しさを皆にも知って欲しいし、感動してほしいなあって思う。話し相手がいたらなあって、思っている。いつも思ったままだ。
景色は好きだけど、心は寂しさを纏ったままだから、私は冬を好きでないのかもしれない。
今日のご飯も美味しかった。
明日は晴れるといいな。